(記者)
NHKです。知事の謝罪の真意を明確にするために改めて伺いますが、政務である選挙戦の応援演説であることが理解されなかったということを一昨日おっしゃっていましたけれども、確認ですが、選挙戦で候補を比較する上では、観光が主要産業で、人口8万人の市に住む人よりも、観光も、ものづくりもあって、特産品の数も多い、人口80万人の市の出身者の方が静岡県の代表に適任だという考えに変わりはないんでしょうか。
(知事)
いやいや、立派な政策を持ってるかどうかが、ポイントでございまして、どういう経験をしているかということもポイントになります。従って、これこれの経歴をしっかり持ってると。しからばそれをどういう政策に結びついてるかということが問われるものであって、選挙というのは、政策の論争でありますので、政策が問われるべきであると。その政策を見てみますと、先ほど言いましたような、あなたが言われたようなですね、そうしたところに集約できる、そういう政策でしかないと私は受け止めましたので、そこのところを強調した結果ですね、それは相手候補でというよりも、御殿場という名前を出したがために、御殿場が、なんて言いますか、ないがしろな言い方で表現されたということになったということを反省したということです。
(記者)
「ごはんが好きだ」を、コシヒカリしかないのかと反感を持ったというのは、百歩譲るとしても、その人口規模や、あちらは観光しかないというのは、これは若林さんが別に政策として言ったわけではないと思いますが、あの発言の意図はなんだったでしょう。
(知事)
いや客観的な事実ですね、数字は。
(記者)
人口規模が多いほうが、静岡県の代表たりうると。
(知事)
いやそんなこと思いませんよ。ただそこでどういう経験をなさったかということですね。ですから、その主な産業として観光があるというのとですね、観光しかありませんねっていう。あるいは、ご飯があれば十分ですと、ご飯しかないんですかと。そういう、何て言いますかね、否定的な表現になったということですね。それをですね。候補に対してぶつけている言葉であるわけです。決して、御殿場市民とか御殿場の産業に対してですね、それがこちらと比べて駄目だというふうに、つゆ思ってないわけですから。まあしかし、そのような形で比較したということがですね、誤りであると、差別に繋がったと。これはもう自らの一番の大原則、一切差別しない地域を作るという、人が差別されないような地域を作ると。また、それぞれのどの地域もですね、個性があって、それぞれの個性があるがゆえに多様であって、多様なところが、実は静岡の魅力を上げてるわけですね。ですから私は小さい大きいというよりも、あるいは過疎地域と過密地域で、どちらかというと私は過疎地域の方に愛着を持ってるわけです。ですからそういうことも含めて、人口規模で代表が決まるなどということはまったく考えておりません。
(記者)
報道による切り取りもあったという、一昨日のご指摘も重く受けとめておりますけれども、今回の発言の一般の方の反応として特徴的なのは、発言全文を読んでみたらもっとひどかったっていうものです。静岡新聞さん、昨日の朝刊で演説全文掲載されていますけれども、これを読んだインターネット上の反応ですけれども、「コシヒカリ発言よりもっとすごい罵倒しまくり発言してた、ひどいもんだ。」「全文見たが揶揄と言うより見下している、もっとひどい言葉で御殿場を貶めている、完全に東部をバカにしている、全体として支離滅裂」と、このような具合なんですけれども、全て聞けばわかってもらえるはずだという知事の認識と、すべて聞いたらもっとひどかったという、多くの方の受け止め、この差をどう捉えてらっしゃいますでしょうか。
(知事)
ともかく、2人の候補のうちどちらかを選ぶ、その一方を応援した方を叩くという、これが趣旨なんですね。ですから、その中身をですね、それを比較しやすいように、いくつかの指標を上げたということですが、これは間違いであると思ってます、今は。切り取りについてはですね、あるいは全文を掲げようと。あるいは、どのように編集されようと、私はこれについて、これまでも、1度も、その報道の仕方や編集の仕方について、異議を唱えたことはありません。報道は自由であると、言論の自由という根本にですね、に異議を差し挟むことは一度もしてきませんでした。
(記者)
いや、応援演説の内容そのものと、9日までの誤解だという釈明、そして一昨日の公務でなく政務だという言い訳と、知事と県民世論の受け止めのずれが、短い期間に、3つ連続して続いているわけですけれども、知事、任期あと約3年半ありますが、最後まで務めるだけの、理解力ですとか判断力、発信力、県民からの信頼感が、ご自分にあるという自信がおありかどうかお聞かせいただけますか。
(知事)
今回の応援演説は基本的に誤りであるというふうに思っています。公人としての発言であってはならんと、いうふうに思っておりまして、ですからもうこれはしないということです。
(記者)
それは分かりましたが、あと3年半の任期を務めきる自信がおありかどうか。
県民との感覚のずれが相当露見したわけですけれども。
(知事)
県民の皆様によって、4年間、しっかりと、あなたが言ったことを実行しなさいという負託を受けたわけですね。ですから、力の及ぶ限り、それを実行する、実践するというのが私の務めであると思っています。
(戦略監)
他の方はどうですか。
(記者)
中日新聞です。いくつか伺いたいんですけど、まず今日の自民党と公明党の会派が、臨時会の早期招集を要請出されましたけれども、現段階でどのようなお考えでしょうか。
(知事)
早期招集を要請されましたので、それをお受けいたしまして。これは20日以内に開くというですね、規則がございますので、その間に、これは全議員の先生方がご出席いただくのが望ましいので、ですから、そうしたことも勘案しながら、適切に日程を決めたいというふうに思っています。
(記者)
12月議会だと、11月末から始まりますけれども、その日程を待たずに、臨時会を開くということでよろしいですね。20日以内ってことだと12月の定例会も入ってしまうんですけど、そうじゃなくて臨時会を前もって招集されるという理解でよろしいですか。
(知事)
いろんな選択肢がありますのでね。何と言っても、議員の先生方が来られなければ、流会になってしまいますから。従ってこういう臨時議会の招集というのは、そうしたことも併せて考えなくちゃいけませんので、そこを勘案してから日程を決めたいと。
この規則に許されてる範囲の中で決めるということであります。
(記者)
ありがとうございます。それから、この臨時会で先般出た請願の審議がされるということで、我々の請願の内容は、知事に辞職を求めるような内容で、これ自体は採択される見通しがかなり強いんですけれども、現段階で今回の発言を契機として、辞職されるお考えというのはあるのでしょうか。
(知事)
これはまあ、とりあえずですね。議員の皆様方とのやりとりも、議会で可能になっておりますから、それを踏まえた上でということでございます。
(記者)
あと一つだけ。先ほど、山ア真之輔さんの件で知事のお考えを示されましたけど、こうした問題が、知事ご自身は山アさんにあるというのは、選挙を応援される前からご存じだったのでしょうか。
(知事)
いえ、全く知りませんでした。
(記者)
これが公になって、山アさん自身も週刊誌報道の内容は事実だと認めている状況なんですけれども、相手の女性も奥様も傷つけるような内容だと思いますし、そういう人が本当に国会議員やってて大丈夫なのかなと、正直私は思いましたけれど、知事ご自身はこういう方を応援された責任についてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
40ですから、自己責任ですね。大きな試練に今、山アさんも、それから関係された方もですね、なかんずく家族の方について、心配しています。
何とかこの試練を乗り越えていただいて、信頼し合うですね、信頼される、そういう人間に立ち直って欲しいというふうに思っています。
(記者)
応援された責任は、どのように認識されていますか。
(知事)
もう確信を持って応援しました。
(記者)
ご存知なかったんで、そういう事実があったこと自体はご存知なくて、彼の別の能力の部分を見て、応援したということでよろしいでしょうか。言葉をもうちょっと補っていただきたいんですけれども。
(知事)
もう彼との付き合いも長いですから。従って、彼と約束した、いわゆるレインボーマニフェストの作成にあたって、山ア議員が果たした役割は小さくありません。そして、やっぱ同志ですから、参議院選に、補選に出られるということを聞きまして、また応援も求められましたので、私としましては、よし分かったと、全力で応援するというふうに申し上げて、その通り最後まで実行しましたけれども。しかし、今回は、もう40にもなられているので、今回限りということを申し上げてですね、それを改めて、25日の当選のご報告に来られた時に、両者で確認したと、私の方から申し上げたということであります。
(記者)
もう1点だけ。政務での応援演説に関してなんですけれども、実際には首長さんでも、応援演説によく立たれてるところは、この静岡県内では、例えば、静岡市長とか島田市長なんかも応援演説今回されたと思うんですけれども、決して公人が政務しないということはないと思うんですが、そういう人たちと知事の違いっていうのは何だというふうに。
(知事)
両市長さんの演説を聞いたことがありません。ですから、一切そういうことに対しては、ノーサイドでいくということでございましたのでね。ですから、県民あるいは市民の方たちが選ばれる方を代表として、その方と、県市、あるいは県市町ですね、一体でやっていくという、それは私の方針でありました。従ってですね、応援をするというふうなことは、今回まで。ただし、1回だけ、先ほど申しましたように、たまたま行きがかりで、マイクを持たされたことがありましたけど、これはいわば、偶然のことでございまして。今回のように意図的にやったのはですね、初めてのことです。それで、そのモデルも知りません。ですから、今回こうした大失態を演じた以上ですね、やはり何が問題だったのかというとですね、政務と公務は違うわけですけれども、私はどういう立場にあっても、公人であるということで、この立場ををわきまえなければですね、何をしてもならないということを自らに強くですね、自覚させられたということであります。
ですからそういう立場で、何かまたですね、いろんな方のご指導も仰ぎながら、政務というのも、確かにあなたがおっしゃるように、許されてることですのでね。ましてや、私のように公務と学問しかしないということで、12年間あまりやってきたわけですけども、そうした人の方が珍しいんじゃないでしょうか。
ですから、それでやってきたので、そのつもりでやってきたわけですが、やはりいろんな方がいらっしゃって、知事さんにもそうした選挙活動にですね、応援に来たり、応援に行ったりされる方も、私のところに応援に来た知事さんもいました。だけど私はそれをですね、自分のこととしては考えてなかったということがあります。 |